転職、というよりも就職試験で深掘りされる志望動機。転職の場合は勤務地ややりたいことなどある程度絞れるためかそこまで聞かれない。しかし就職試験ではやたらと深掘りされる。これはなぜか?自分としては志望動機=ロジックを立てて考えることができるか、のテストだと思っている。面接官の質問に対して必ずしも本心を答える必要がないので予め用意したロジックで挑もう。就活で散々やられるので今回は新卒就活に絞って述べています。
・自分の行動動機に対してなぜを5回繰り返せるのか?
なんでうちの企業を選んだんですか?毎度お馴染みのこの質問。論理的な学生を求める企業だと「なぜを5回くらい返して見えてくるものが本質」みたいな事を言われる。が、自らの動機を5回も繰り返して進路選択したことがある人間はどれほどいるのだろうか?
もしその企業でしかできないこと、オンリーワンの技術や研究があれば絞るのは簡単だ。だがほとんどの企業はそんなものはないし、普通に市場で競争している。本音を言うと他の会社も受けているのであなたの会社はオンリーワンでも(ナンバーワンでも)ありません、になる。だが本音を言うとアウトなのでここはグッと抑えよう。
面接官が既婚者であれば「結婚相手を選んだ理由を教えてください」でなぜを5回繰り返したい。おそらくそこまで深掘りできないだろうし、相手を選んだ手段や方法も偶然によるものだ。就職試験では本当に考えて手段や方法を考え抜いたのか?と疑問を持たれるケースがある。その一方で仕事よりも大事であろう将来の伴侶はそんなに真剣に考えていない。というか相手に選べれるレベル、分相応というものがあるので全部の中から選べない。これが結婚だ。
就職も一緒である。相手から選んでもらえる分相応のレベルをお互いに探している。だから東大生が来てくれたら内定を出したくなるし、優秀だな、と思ったら内定を出している。この場合は学生側が選ぶ立場だ。こういった本音を隠しながら志望動機を訪ねてきている。
・割り切って考えよう。志望動機=論理力テスト
本音を言ったらアウト。かと言って答えられなくても評価を下げる志望動機。志望動機が優秀だから、といって内定を勝ち取る人は少ないだろう。企業側は良い学生、活躍してくれそうな学生に内定を出す。入ってくれれば会社側が業務内容を指示できるのでとりあえず内定を出す。つまり自己PRの方が志望動機よりも優先されている。こう考えるのが自然だ。「入社したいという気持ちが強い」かと言って入社後のパフォーマンスが高まるわけではない。
ではどうするか?ここは割り切ろう。志望動機は屁理屈合戦、論理力テストだ。
面接官(面):どうしてこの会社を選んだんですが?
受験者(受):この業界に以前から関心があり、やりたいと思ったからです。
面:どうしてこの業界に関心があったのですか?
受:〇〇が好きで御社の製品を使ったのですが、とても使いやすくて気に入っていました。社会人になったら作り手側に回って、自分が感動したように、感動を与える製品づくりをしたいと考えています。
面:どの点が使いやすかったのですか?他社はどうしたか?
受:他社でもそうですがいつも●●が手についてしまい、不満でした。御社の製品は汚れがつかない工夫がされており、使いやすいです。よくこんな工夫が思いつくな〜と感心(感動)しました。
面:使いやすさが良かったのですね。他社でも同じ仕事ができると思いますが、どうしてうちの会社に?
受:製品に感動したというのが業界に興味を持ったきっかけです。その後、御社の製品を比べてみると他にも様々な工夫があることに気づきました。御社には他社に先駆けて新しい工夫や新製品を出せる会社の力、また新しいものを試す文化があると認識しています。自分も成長して新しい製品企画に挑戦したいと考えているからです。
面:他社でも努力していると思いますが、そこはどうですか?
受:御社の制度や社風をお聞きする中で、挑戦に対して肯定的な人がたくさんいる、と知りました。もちろん他社でも努力していると思いますが挑戦に対してポジティブな人たちと一緒に働きたいと思いました。
書いているうちに嫌な気分になったがこんな感じだ。最終的に人に持って行くと否定しにくい。人事部が説明した内容を面接官は拒否できない。というか面接官は人事部やリクルーターがどんな説明をしているのか知らないので何も言わないケースが多い。
まとめ
志望動機は論理テストと割り切ろう。失点を防ぐくらいで十分。得点を稼ぐのはあくまで自己PRだ。もし志望動機と自己PRを繋げられれば尚良いが一段難しい上、強引に自己PRに持っていきすぎると質問とチグハグしてしまう。ここでは100点を目指さず70点を目指すこととした。