転職と同じくらい「どうして辞めるのか?」を聞かれる。理由とすると退職理由に再現性があると、入社してもらってもまた辞めてしまうだろうと考えるからだ。退職理由はどうしようもないものもあるが、素直に答えて良い時と悪い時がある。人間関係の悪さは再現性があるケースも多いため、ここは秘密にするしかない。その上でなぜやめたいか?を答えよう。
・退職理由の本音NO.1人間関係は再現性がある
退職する主な理由は人間関係だ。これは何年も前から変わらない。上司とウマが合わず、まともなことを言っても批判されるばかり。パワハラに近い言動で鬱になってしまって・・・。こんな人は大勢いる。冷静に捉えると健康被害を及ぼすレベルのマネジメントはパワハラだ。だが応募先の企業としては「・・・うちの会社にもこんなやついるな」と思っている。それも大きい会社であればあるほど人数が多いため様々な人間がいる。大手企業だからといって社員が全員優しいか?といえばそうではない。
もちろん社風があるので言葉遣いなどは変わるが、部下を追い込むのと指導を考えた叱責の違いが明確に理解できている管理職は少ないのではないか。そもそもプレイヤーとしての仕事ができるようになった次のステージとして管理職が存在している。マネジメントなんて知らなくてもプレーヤーとしての実績が認められればポストが与えられるのだ。そのため昇格したばかりの管理職は厄介だ。自分の考える指導を行い、3ヶ月くらいで成果が見えないとイライラし始める。努力が足りない、などと文句を言って徐々に追い込んでいく。そしてそのまま辞めてしまう、と言うケースがある。実際自分がいた会社では新入社員が昇格したばかりの管理職にやられてしまい、短期間で退職してしまった。管理者本人からすると期待を込めての厳しい叱責だったらしい。しかし、周りから見れば過大な要求を求め続けて耐えられなかっただけ。パワハラに近かった。
会社にとってみれば多種多様な人間がいるため、人間関係がうまくいかないことはよくあることだ。だから人間関係が悪くて辞めた、というのは印象が良くない。
・ではどうすれば良いか?
先のように人間関係を理由に退職するのは結構難しい。しかし、辞めたい理由が客観的であると受け入れやすい。例えば残業代の未払いや長時間労働、急な休日出勤(これは業界にもよるが)。これらは会社として応えられる条件になる。もし受け入れられない理由があるとすると応募先もブラック企業だったケースだ。しかし、そんな会社は落ちた方が良いので入る価値はない。
勤務先を変える変えないの話であれば家族が理由、というのも考えられる。ここで嘘をつく必要はないが、父母の介護や子どもができたので早く帰れる会社にしたいなど。特に介護は転勤を拒否できる可能性もある強い理由になる。今の会社からどうしても転居を伴う異動が必要、と言われたが介護があるため折り合わず・・・。こういえば仕方がないとしか言いようがない。あまりに頑固だとダメだが、今の会社と「相談や調整をしたがダメでした」というのは大事。理由があるのに黙って辞めるよりも人事に相談してくれる社員の方が遥かにマシだ。
・テンプレ化してしまうが成長のため、は使える
よくある理由としては新しい環境で成長したいから、というものだ。今の職場では周りから頼られるし、仕事も評価をもらっている。しかし自分自身のキャリアを考えたときに新しい仕事に挑戦してみたい、やってみたい。テンプレ化してしまうが仕事に対する熱意が見えるので否が応でも好感触となる。
2点注意することがある。1つ目は今の会社にきちんと相談したか?だ。介護の話と一緒だが基本的には今の会社から引き留めがあるはず。強引に辞める人は危険なので、まずは社内でそのポジションを探す方が合理的である。新しいことをやりたいけど今の会社ではそれができない。先輩や上司にも相談したがダメだった。というストーリーにしたい。
もう1つはそのために今何をやっているか?だ。新しいことへの挑戦であれば新しい仕事で求められることがあるはず。小さなことでも構わないが勉強していることなどをきちんと伝えよう。時間が取れない中でも〇〇の本を買って休日に読んでいる、など。もし専門的なことであれば資格試験の勉強になるかもしれない。新しい仕事に挑戦したいが勉強は全くやっていません。と言うと勤勉性が疑われてしまうので注意しよう。
また、成長したいから。と言うと新しい会社に入った後もまた成長を理由に辞めてしまうのでは?と危惧される可能性がある。ここは難しいところだが専門性というのは長いキャリアを積んで築き上げていくものだ。成長するまで時間がかかるので10年20年は働くつもりで、自分ができるようになったら管理職を目指したい。このように長期キャリアを目指して会社を選んだ、ということが伝えられれば良いかと思う。
まとめ
大事なのは「転職理由に再現性がないか?」ということ。上記の通り、辞める理由では挑戦が簡単かもしれない。いずれにせよ深掘りされる箇所なので対応策を考えよう。人間関係で辞めました、は隠す方が無難だと思う。