自分の中で答えは出たが辞めるのが怖い。
蓄えはあるから1年くらい生活できるし、年収ダウンの転職になっても良い。
それでも体が動かない・・・。
このようにいざ行動するとなると動けなくなってしまう人もいます。
どうして最後の最後で辞めることができないのか、踏ん切りがつかないのか?
1番の理由は見栄です。
見栄っぱりだから頑張ってこれた
多かれ少なかれ見栄っぱりな一面を持っているのが普通だと思います。
「良い成績をとりたい」「周りより良い成果を収めたい」このような目標を達成した結果として、親や友達から褒められます。
もちろん、目標のために頑張ることは良いことです。しかし、結果として与えられる「周りからの評価」を知らず知らずのうちに求めてしまいます。
良い成績を収める→テストで良い点を取る→良い学校に行く→良い就職先に就く
このように周りから褒められたい一心で頑張っていくと、いわゆるエリートコースに乗っかります。
当然ですが、先に進むにつれてライバルも強くなるため競争が激化していきます。
これは会社に入ってからも同じで優秀な同期とは比べられ続けることもあります。
周りからの評価が高い会社に入ったのは良いが、本当にしんどい。
一方でここを辞めてしまうと、同等程度の会社に入ることは難しい。転職しても確実に年収ダウンだし・・・。
大学の友達で起業するやつがいれば一緒に働きたいけど、そんなうまい話はないし・・・。
就職まではうまくいったのですが、ずっとステップアップの進路選択を続けてきたため年収ダウンやエリートコースを外れてしまうことがとても怖くなるのです。
そう考えるのは自然なことです。これまでずっと評価の高い進路を目指して何年も努力し続けてきたのですから、ここにきてステップダウンは認めたくありません。
逆に考えると、高収入な有名企業に入りたいからずっと頑張ってきたとも言えます。
目標の最終地点である就職先では、そう簡単に妥協できません。
見栄があるから頑張ってこれた。そして見栄があるから今の仕事を辞める勇気が出ないのです。
競争に勝って手に入れたものは捨て難い
頑張って入った会社を辞め辛い理由の一つは見栄であると説明しました。
もう一つ、心理的に壁となる理由があります。
それは激しい競争に勝ち抜くと、手に入れたものを手放しにくくなるためです。
例えば努力して入った大学を自分に合わないから、という理由で辞めてしまうともったいない気がします。入りたかったのに学力が足りず入れなかった人がたくさんいる中で、自分が辞めてしまうのはもったいないと感じるのです。
つまり競争に参加した人たち全員、という枠の中で自分を考えてしまい捨てにくくなるのです。
これは先に進めば進むほど捨てるのが難しくなっていきます。
高校→大学→就職先
受験という競争を抜けても、就職活動で競争をします。
手に入れた就職先が魅力的ではなかったとしても、負けた人たちがたくさんいることを考えてしまい辞めにくくなってしまうのです。
どうやって見栄に抗うか?
競争の末に手に入れた立派な就職先は捨て難い、ということを説明しました。
それではどんな捉え方をすれば捨てることができるのでしょうか?
1つ目は「自分には向いていなかった」と素直に諦めることです。
周りの同期には普通に働いている人が多いでしょう。環境の違いはあっても、自分がこれだけしんどいのは向き不向きの問題であると考えましょう。
wantedlyというIT系人材会社の社長で仲暁子さんという方がいます。
彼女は京都大→ゴールドマンサックス→漫画家を目指して無職という変わった経歴の持ち主です。ちなみにその後Facebookジャパンを経て起業をします。
やっぱりというべきか、当時ゴールドマンサックスを辞めるのに友人から引き止められたようです。
しかし、自分にはゴールドマンサックスの仕事はつまらない。
これは1を10にする金融ビジネスではなく、0を1にする仕事をしたい、という気持ちがあったからでした。
辞める時の考え方としては「自然淘汰」です。
自分はつまらないと思って、モチベーションが上がらない仕事でも周りにはバリバリ働いている人がいます。
「会社の中」、という枠で考えると自分がダメなのかなぁ・・・と落ち込んでしまいそうですが、「全人類」と考えると大したことはありません。
誰かにとって向いてることは自分にとって向いていなくとも、自分にとって向いてることが誰かにとって向いていないことがある。向き不向きはやってみて初めて分かります。
逆に人と比べないとわからないのです。
大袈裟に言えば、自分にとって(向いていない)今の仕事は淘汰されてしまったのです。
だから、他の道を探せば良いのです。仲さんはこのように考えて仕事を辞めるに至りました。
youtubeや著書にこの話が書かれているので気になる方は読んでみてください。
ちなみに仲さんも「自分の中に毒を持て」は何百回も読んだそうです笑
見栄の捨て方のヒント
会社を辞めたいと本気で考えた時に、仲さんの本を読んでなるほどと思いました。
他にもいくつか考え方があると思うので紹介します。
・見栄(お金)よりも時間とストレスフリーな職場の方が大事
これは実際に働いてみてわかったことです。有名企業に入ると年収は高いですが、時間と精神が蝕まれます。学生の時からワークライフバランスの整った会社に入りたい!と思って、人事部の説明を聞いてネットの評価も参考にして入社しましたが、現実は異なっていました。
ワークライフバランスのある働き方は大卒には用意されていませんでした。
入社後に初めてわかったことなので仕方ありません。世の中にはやってみないとわからないことがたくさんあります。正直、自分がいま大学生だったとしてもネットの情報や人事部の説明を鵜呑みにすると同じ会社に入るかもしれません。
信頼性のある情報は出てこないケースもあるので、後悔しても仕方ありません。
入ってみて、仕事をしてみて実際に感じたことなので苦い経験として活かそうと考えました。
・見栄にメリットがあるか考える
有名企業に所属することのメリットは3点あります。自分にとって魅力的か考えましょう。
1、合コンでモテる
若いうちはこれが最大のメリットかもしれません笑
合コンでは20代後半の女性からモテます。女性からすると安定収入で本社にずっといるなら転勤も少ない。ATMとして魅力的な男性、と映ります。
少し考えればわかることですが、自分の性格や能力に対して好意を持っているわけではありません。もし仮に結婚した後に、転職したいと申し出れば必ず猛反発を食らうでしょう。
一時的にはモテますが、それだけです。長期的にはメリットとなりません。
2、年収が高水準で住宅ローン金利も安い
長い目で見てメリットとなるのはこちらです。年収もさることながら、住宅ローンを組む際に企業の信用度が高いので金利が安くなります。
子どもを作った後の話ですが、2人くらいならほぼ不自由なく大学に行かせることができます。
このメリットを享受できるのは結構先の話です。
年収も30代にならないと大きくアップしないこと、また家の購入というイベントもすぐにはやってこないと思います。
それよりも目先の命が大事です。いま自分の生命と健康が脅かされているのに、5〜10年先のメリットについて考えても仕方ありません。
子どもをたくさん作ってマイホームも絶対欲しい。という人には向いていると思います。
ただ、マイホームを手に入れても自分自身が家にいる時間は少なくなりますが・・・。
3、家族や友達・後輩に自慢できる
メリットと呼ぶほどリターンはないですが、自慢はできます。
自分にとってこのリターンが大きいかどうか考えてみてください。
人間には承認欲求があるので「自慢できるなんて些細なことだ!」とは言いません。
誰しもが持っている欲求ですしね。
しかし、この欲求の大きさは人によってバラバラです。
何でもかんでもSNSなどで自慢してくる人は当然、承認欲求高めです。
自分がどういうタイプか、褒められることをどれほど求めるかを考えましょう。
これこそが見栄ですね。捨てる時にはもったいなく感じるものの、持っていても使い道はありません。
まとめ
辞めにくい理由は見栄。見栄があるから頑張ってこれたので、知らず知らずのうちに大きくなりがちです。捨てるヒントとしては自然淘汰という考え方。メリットの検証で辞めないリターンを考えました。一部、辞めた時の人間関係の話もありますが、別記事で紹介します。